コラム
Column
不動産
2025年の不動産市場予測 ~トレンドと戦略を読み解く~
2025.09.05

1. 市場規模と地価の回復
2024年の日本の不動産市場は約4,360億ドルに達し、2033年には5,570億ドルに拡大すると見込まれています。一方、2025年1月1日時点の全国基準地価は前年度比2.7%上昇し、4年連続のプラスで1991年以来の高い伸びを記録しています。
2. 賃貸市場の好調とデータに見る底力
全国158都市を対象とした賃料統計では、約70都市で賃貸価格が上昇。東京のオフィス市場ではコロナ禍後初めて需給が改善し、賃料水準も回復傾向にあります。
3. 投資環境の現状と将来展望
CBREの見通しでは、2025年も商業不動産への投資額は4兆円超えが見込まれるなど堅調な市場が期待されます。ただし、日銀の金利政策次第で投資活動にも変化があり得ると指摘されています。
ソニーフィナンシャルグループは、長期金利の緩やかな上昇にもかかわらず、オフィス・ホテル・住宅の賃料は引き続き上向くと予測。特にオフィス賃料が上昇に転じた点はポジティブ材料です。
4. グローバル資金の流入:米国などからの注目
モルガン・スタンレーが日本の不動産に約1000億円規模の投資を進めており、オフィスや物流、ホテルを対象とした日本フォーカス型ファンドが組成中です。こうした動きは、日銀の金利引き上げ(17年ぶり)や土地価格上昇(2024年 +2.7%)が追い風となっています。
一方、東京ではオフィス空室率が約3%と低水準を維持。2024年前半の取引額は236億ドルに達し、資産収益率も年4.8%へと上昇しました。
5. 市場のリスク要因と注意点
- 金利上昇が想定以上に進んだ場合、投資環境に悪影響を及ぼす可能性あり。
- 建築費の高騰が続いており、新規供給の鈍化が価格上昇を後押ししている状況。
- 一部で「過熱感」も見え、市場のバランス維持が今後の鍵。
- 地域によっては “事故物件” が注目対象となるケースも増加中。心理的抵抗をきっかけに割安に関心を持つ投資家も。
投資家へ向けたポイントまとめ
注目テーマ | 解説 |
---|---|
地価上昇継続 | 全国的に地価上昇、資産価値の維持に追い風 |
賃貸収益の改善 | 都心部のみならず多方面で賃料力向上 |
グローバル資金の流入 | 外資が日本不動産を再評価、投資熱が再燃 |
供給抑制で価格支援 | 建築費高止まりが供給抑制、既存資産に有利 |
リスク管理の重要性 | 金利変動や地域特性への対応が不可欠 |
まとめ:2025年の不動産市場は“安定と変化”の絵巻
2025年、日本の不動産市場は堅調な展開が予想されます。地価と賃料は上昇基調を維持し、国内外資金が物件取得に意欲を見せる中、新規供給を巡る制約も資産価値の支えになります。一方で、金利動向や過熱感、地域リスクなどは引き続き注視が必要です。
GENESISのように用地選びから運営まで幅広くサポートできる体制を整える企業は、こうした投資環境下で信頼できるパートナーとして価値を発揮できるでしょう。